小さなテーブルを挟み置かれている3人掛けのソファー。2つあるので計6人は座れる。



あと1人掛けのソファーが、端に1つずつある。こじんまりした店の割に大きいスペース。



―――なのに。





「へ?そうすか?普通っす!」





千秋との仲良しオーラ満載に言うカン太。



千秋が嫌そうに顔を歪めた。



結構お疲れ気味の様子。





「ち、近いよ」

「う〜ん?そうでヤンスか?」





カン太は悩ましげに自分の座る位置を見る。



響子は近い近い、と首を縦に振り頷いた。



三人掛けの端に座る千秋。その横に引っ付き座るカン太。



カン太の座る位置に問題がある。見るからに真ん中より千秋より。これでは3人どころか、4人は座れてしまう。





「でもこっちの方が千秋君の顔をよく見れるっす!」

「「……」」





――――ガタン。





「…へ?…ええええ!千秋君何で1人で座っちゃうでヤンスか!それじゃ一緒に座れないっす!」





千秋が1人掛けの椅子に移った事に笑顔だったカン太はすぐ驚きに変わる。



―――無言。



響子と千秋に訪れたのはどうしようもない無言だった。カン太の笑顔に何も言えなかった。悪気がなく純粋ゆえの発言だから尚更。