「お〜潔いじゃねえの」
「テメエが吸わねぇための保険だ」
そして今度は遼太が本気(マジ)になった。
「禁煙止めてみろよ、次は俺がテメエの息の根を止めてやる」
それに僅かに目を見開きながらも微笑した。
そしてふざけながら空気を柔和させる。
「“ハッ!殺れるもんなら殺ってみろよ”」
「それさっき俺が言っただろ!」
「文系男子が殺されたら二宮金次郎氏がオメェに仕返しに来るぜ?」
「そんときは焼却炉にぶちこんでやる。まぁ、先ず俺を殺るよりテメーを殺りそうだけどなァ。勤勉勤労の鑑がグータラ蒼君と同胞にされた事にキレて追い掛け回されんぞ」
「お。オメエが二宮金次郎氏を知ってることにビビったわ」
倉庫に戻っていく2人の肩は数分前より少し軽い。
固かった表情も重かった空気も、いつの間にか和らいでいる。
倉庫に戻ると1分おきにアナログ時計を見ていた戒吏が時計と向き合って、針を観察していると言う状況に出会してしまい別の意味で戸惑う2人だった――――‥。

