牙龍−元姫−






「あ〜あ。訳わかんねえな〜。頭こんがらがるじゃねえの。んな事を白夜は何で知ってだよ?」





煙草を吹かしながら蒼衣さんはそう呟きました。



その問いに答える人は誰もいません。何故なら誰も分からないからです。



むしゃくしゃする気持ちを吐き出すように煙草を吹かす蒼衣さん。―――――少し吸いすぎではないでしょうか?



吸い殻が足元に散らばっています。


そんな蒼衣さんを一見したあと“片桐さん”を鋭い眼差しで見たのは遼太さん。





「なら俺からもいいか?結局あの銀メッシュは誰だったんだよ。鬼神の幹部の奴なのか」

「し、知らねえよ!写真の事は本当に知らねえんだよ!“たまたま”銀メッシュの奴と居たところ撮られただけじゃねえのかよ!?」





本当に知らないのか紆余曲折に適当な事を告げました。



遼太さんも皆さんとしても写真のせいでこんな事態を招いたのでハッキリさせて起きたいのが本年なのでしょう。





「“たまたま"だァ?適当なことぼさいてんじゃねえ」

「―――ほんと、上手く出来てんじゃねえの。このお遊戯はよ〜」

「加工、とかは?」





下らないと言わんばかりの遼太さんと蒼衣さん。そして一つの案として“加工”を上げたのは空さんです。



偽造写真と言うことでしょうか?



――――色んな言葉が倉庫の中心で交わります。








僕は…僕達はただその光景を見るだけ。会話を聞くだけです。



何も出来ない事を歯痒いと思っている人はきっと多くいる事でしょう。



だけど僕は話の輪に入ろうとは思わないです。畏れ多くて無理です。それに僕の存在意義はあるのでしょうか。





「庵、写真はどうした」

「とっくの昔にゴミ箱行きだよ。今さら手元にあるわけないよ」





写真を見れば事実が分かると思った総長は庵さんに聞きます。



しかし庵さんは両手を上げると、ヒラヒラ振りました。



どうやら当に棄てたらしいです。それが妥当だと思います。今でも大切に保管してある方が可笑しいですから。