牙龍−元姫−






……僕ですか?



全く驚く事はなかったです。戒吏さんがただで帰す筈ありません。



報復には報復を、ですから。





「ほ、本当か!?寿!俺が悪かった!北に情報を売ったのは謝る!だから――!」

「ひとつ、聞く」




敵と自認していた者に命乞いをするその姿は酷く浅ましいです。



恰も戒吏さんが仏だと言うように目の色を変えました。



でも知ってますか?



―………仏の顔も三度までって言うんですよ?





「響子が1ヶ月居なかったのは何故だ」





総長は“片桐さん”の言葉を無視して話はじめます。



先ほど耳に入れた情報を再び問われました。大方深く知りたいのでしょう。それは僕も気になっていたことですから。



本当に響子さんのお父上はお亡くなりになられたんでしょうか?ですが響子さんはそんな事は一言も仰っていませんでした。



いつ亡くなられたんでしょうか?


そのとき響子さんはどちらに?



お葬式はもう済んだのですか?



謎だらけです。



謎といっても言葉遊びのなぞなぞではありません。本当の謎です。考えても分かりません。





「だから父親が死んで…っ!」

「何故だ」

「ふ、不慮の事故だと俺は聞いた!」





白夜から!と“片桐さん”は叫びました。



一体白夜と言う方は何なんでしょうか?どうしてそんな事を知っているのでしょうか?



鬼神、否、季神の総長は謎だらけです。