「救いようがない馬鹿だね、お前は」
珍しく荒々しい庵さん。前髪をウザったそうに鷲掴みにし掻き上げました。かなり瞳が鋭いです。
いまの庵さんはどちらかといえば遼太さんと蒼衣さんを混ぜたような感じです。でもどこか遼太さんよりな乱暴さ。
僕ははじめてかも知れないです。庵さんが喧嘩に携わる場を見るのは。誰かを殴る姿を見たのは。
「黙って聞いていたら、何なのお前?結局は引き金はお前だろうが。違う?僕は間違ってる?ねえ、何とか言いなよ」
「……ッぐあァ」
頭をグリグリ踏み潰す庵さん。
それに伴いもがき苦しい声が聞こえてきます。
あまりの庵さんの変貌に僕は泣きそうになりました。怖い怖い怖い。だ、誰ですかあれは?いったい誰なのでしょうか?
あまりの恐怖心に「カン太君!」と泣きつきたくなりました。
チラリと横目でカン太君を見れば―――――――白目を剥いていました。
き、気絶?立ったまま気絶ですか?う、羨ましいです。僕も気絶したいです。どなたでも構いません。誰か僕を気絶させてください。

