再び訪れた痛いほどの静けさ。
知らない者も知る者も中心にいる幹部の5人と“片桐さん”が纏う異様な雰囲気に気がついたのでしょう。
僕でもわかるほどの異様さ。
先ほどと違うことが明白なことがひとつ。“片桐さん”だけが笑っているということでした。
――――そんなにも“白夜”という人は重要な人なのでしょうか?
“白夜”は鬼神とどのような結び付きがあるのでしょうか?
わかりません。わからないです。
僕には考えても頭を捻らせて出てくることは困惑だけです。
「おいおい勘弁してちょ〜だいよ。全くなんだっつ〜んだよアイツは。いったい何の恨みがあんだよ」
「―――で?白夜は鬼神と何の関係があるんだよ?ウソなんかついてみろ。その面二度と見れねえ顔にしてやるぞ。オラさっさと吐きやがれ」
同時に話し出した蒼衣さんと遼太さん。
蒼衣さんは“片桐さん”を見るのも嫌だと言わんばかりに目を逸らし新しい煙草に火をつけました。
遼太さんは真逆です。“片桐さん”を急かして睨み付けました。
“白夜”と言う人は大事な人なのでしょうか?またはその逆か、
「鬼神は《季神》になったんだぜ?知らなかっただろお前ら」
「《季神》?」
何なんでしょうか、それは。
「人数も構成も同じ。ただ違うのは幹部だ。その季神の総長が――――――‥」
すぐに総長の名を挙げる事はせず態とらしく一拍置きました。
遼太さんをじっと卑しい瞳で見る―――――――何かが伝わったかのように遼太さんは言います。
「…白夜だっつーのかよ」
「そう言うことだ」

