牙龍−元姫−






「何も奴らは“居なくなった”わけじゃねえ」





自信満々に告げる。



わざわざ教えてやっていると謂わんばかりのどや顔。



それに皆さん突っ込まないのは、本当のところはどうなのかを知りたいからだと思います。



認めたくはないけれど事実を知る人物が“片桐さん”しか居ないから――…










わけのわからない言葉に空さんは怒鳴りました。焦らされていることに腹を立てる気持ちは良くわかります。





「はあ!?お前居なくなったって言ったじゃねえか!意味わかんねえし!」

「本当に何もしらねえんだな。変わったんだよ《キジン》は」





その言葉に誰もが頭を捻る。



かわった?
なにが?
どう?



“片桐さん”は賎しい笑みを浮かべると遼太さんと蒼衣さんを見つめました。




「お前らなら知ってるよなァ〜?」














“ビャクヤ”を。