確かに先輩から分かりやすく再度解釈してもらいました。
でも、わかりません。
わからないんです。
分からないことだらけです。
―――それに。どうして、
「お前、響子に何をした」
わざわざ響子さんを“裏切り者”に仕立てあげる必要があったのでしょうか?
「何を?アハハはははははは!!馬鹿か、テメエは!“何かした”のはテメエらの方じゃねえか!」
ああ、愉快だ。愉快だ。
そう馬鹿にしたように嘲る。
自分を取り囲み牙龍のメンバーの姿を見るために―――――――――――ぐるんと一回転。
360゜回転し、再び戒吏さんに顔を向ける。
「俺は牙龍の情報を北にばら蒔いただけだぜ?何もしちゃいねえ!勘違いしたのはテメエらだ!姫を追い出したのもテメエらだろ!?」
あはは はははは !!
耳につく嗤笑。
不愉快きわまりないです。
こめかみをピクピクさせて青筋を立てる遼太さん。これでも、まだ押さえているのが分かりました。
しかし押さえきれなかったのは空さんでした。いまにも掴みかかりそうな勢いで叫びました。ですが掴みかからないのは、眼で訴える戒吏さんの制止でしょうか。
「なら牙龍の奴らが闇討ちにあったことはどうすんだよ!?」
その言葉にハッと鼻で笑う。
それには空さんだけに留まらず周りにいる先輩たちも目を吊り上げました。
“片桐さん”はいまだに、自分の立場を理解してないらしいです。
話を聞いたら、用済みだと言うのに――――…

