外では雨が強く打ち付ける。



倉庫に反響する雨音。



“片桐さん”を捜しに行ったときには小降りだった雨が、嵐のように激しさが増している。





「―――はっ?き、北?」





戒吏さんの言葉に気を揉んだのか焦り顔へと変わった。



先代の“片桐さん”とはこんなにも間抜けな方なんですか。はじめてお目にかかるのが制裁の場になるとは思いもしませんでした。



焦りを隠そうとしているのか、慌てています。しかし未だに強張った顔つきです。全く隠せてはいないです。何せ鈍い僕でさえわかるんですから。





「違うのか?」

「な、なに言ってんだよ寿!お、俺が北と手を組むわけねえだろ?元牙龍だぜ?それに俺は東の人間だろ?」

「――――――そうだな。お前は元牙龍だ」

「だ、だろ!?もともと牙龍に居たのに、牙龍を嵌めた北の奴らと居るわけねえぜ!」

















――――ああ、もうこの人は終わりです。









「オイ。なんでテメエは闇討ちしたのが北って知ってんだよ」





“片桐さん”を鋭く尖った刃のように睨み付ける遼太さん。



僕が睨み付けられているわけではないのに、痛いです。身体中を刃で串刺しにされたように。



怖いです、怖くて怖くて、どうして僕はここにいるのか問いたくなります。