そう思ったのは森本幹太郎という名でミキ郎と呼ばれるビビりの僕。
しかし横目で隣にいるカン太君を見ると目は逸らさないないものの顔を真っ青にしていました――――――――どうやら僕は正常のようです。
「…ッてめえら!俺は先代だぞ!こんな事して許されると思ってんのか!」
まだ叫ぶ気力があるのか声を荒げる。
その声に倉庫は静まり返りました。皆さんは“それ”を冷ややかな瞳で見ています。
しかし“それ”は何かを勘違いしたのか勝ち誇ったかのように笑いました。なんて哀れな人なんでしょうか。
まだ、立場を理解していないなんて……
「お前ら全員只で済むと思うなよ!この俺に手を出してこんな目に合わせてんだからなァ!?それなりの報復は覚悟しとけ!」
「――――北の奴らと手を組んでか?」
“片桐さん”を無機質な瞳で見下ろしながら言った戒吏さんの声が倉庫に轟く。
“片桐さん”の様に声を荒げ叫んだわけでもない。抑揚の無い戒吏さんのいつもの音調に色調。
それほど倉庫内が静かだと云うでしょうか――――?

