エンディングが終わりCMに入ったTVを消すアニメと“アキラ君”と同じ名前の輝君。





「でもナガレがキョオコを奪ったなら俺様も響子ちゃんの王子さまになれそうだよねー」





今週になって出てきたナガレ君と同じ名前の流君。仮面を張り付けたようなところまでソックリ。



緑川君と輝君はお友達。





「無理に決まってんだろ。野々宮の王子は風見だからな」

「あはー。里桜ちゃんには敵わないよねー。でも輝も王子さまになりたいとか思ってるんでしょー?」

「ばッ、バカか!思ってねぇし!だいたい俺と野々宮は…っ」





輝君にジーッと見つめられる。と言うより睨み付けられる。いつもの事だから気にしないけど居心地は悪い。その理由を知っているから尚更。緑川君は未だしも、正直に言うと輝君とは出逢いたくなかった。





「俺と野々宮は、ライバルだからな!」





―――不敵な笑みで言われた。



輝君は白っぽい金髪にスカジャンを羽織り下はスエットを着るという典型的なヤンキーの身なり。



正直怖い。私が輝君のライバルだなんて…。だけど、いつのまにか恨む対象から好敵手になっていることに喜ぶべきか悩んでしまう…。





「へー。あからさまに敵意出してた幼い輝ちゃんが懐かしいねー」

「幼い言うな!………ただ野々宮が悪いヤツじゃねぇってことは分かったからだ。先入観が先走ってたからな。風見に殴られた過去は俺の黒歴史になってるぜ」

「だからってライバルに格上げされてもどうかと思うけど…」





わたしも緑川君と同じ気持ちだった。憎悪の対象で睨み付けられるのは嫌だけど、厄介なヒトのライバルはもっと嫌だった。



緑川君は輝君のお母さん的存在。問題ばかり興す輝君の後処理をしていると愚痴られた。



明るく太陽のような輝君とどこか冷たく仮面を被る緑川君は対のような存在。でもだからこそ均等に関係が保たれて波長が合うのかな、と思った。