そんな私たちに“ナガレ君”は呆れたように頭を掻いた。





「たかがアニメに介入しすぎじゃない?だいたい俺様“ナガレ”じゃないしね。余裕で俺様のほうがカッコいいでしょー」

「お前は“ナガレ”にそっくりだ!その第一印象で信用できなさそうなところとか!“キョオコ”が“ナガレ”にトキメク理由がわからねえ!」





嘆く“アキラ君”



私が読んでいたコミックを貸した事で嵌まってしまったらしい。それがアニメ化になるといち早く教えてくれたのも彼だった。



今まで録画していたものも見て今となっては“キョオコちゃん”の行く末を見守る中なの。





「俺様は理解し難いねー。それに“キョオコちゃん”とやらは少し愚かすぎるよ。誰でもトキメクとかただの男タラシでしょ。尻軽とか俺様の好みじゃないね。付き合ったら絶対浮気するタイプだろ、あれは」

「少女漫画だから良いんだよ!そういう展開ざらにあんだろうが!ただ“ナガレ”ってヤツがお前みたいで気に入らねぇ…」

「ただの私情かよ…!つか輝が少女漫画に嵌まるとか引くわー。まじ止めてほしい。仮にもリーダーだろ?下に付いてる俺の身にもなれよ。おちおち外も歩けねーよ」

「なら今すぐ西街に帰れ。外に出るどころか境界線越えたお前が言っても説得力ねぇんだよ」





言い合う二人を尻目に私は項垂れた。



“ナガレ君”の言ったことが頭から離れない。





「お、男たらし……」

「ちょっ!響子ちゃん!?なんで響子ちゃんが落ち込んでるの!?俺様ってば響子ちゃんに言った覚えないけど!」

「お前がキョオコを傷つけたんだろ!」

「“キョオコちゃん”になら言ったけど響子ちゃんには言ってないから!」





ショックで俯く私に慌ててベッドから降りると近寄ってきた。





「あー゙もう!このアニメややこしい!なんでいきなり俺様の名前が出てくんの!?」

「それなら初回から出てきてた俺らはどうなる。“キョオコ”と“アキラ”ってそのまま俺らだろ。デカイ顔すんなよ新入り」

「ありがた迷惑だけどね…!」