「どうしましたか?」
比較的冷静に、下からスキンヘッドが似合う男が声をかけてきた。サボるときにはよく一緒にいる奴だ。
―――…いつの間にかこの建物内が静まり返っていた。
「……」
「……空は?」
戒吏が話すのを待っていたけど、口を閉ざすだけなので変わりに言葉を発した。
勢いよく出ていった空の所在をスキンヘッドに聞く。
はっきり言えばそんなことどうだっていいのが本音。早く本題に入りたいのに。僕だって早く行きたいのに。
焦りが生じる。
本題は別にある。しかし戒吏が話を切り出さないため仕方がなかった。
「空さんなら出ていったッス」
「……そう」
1拍置きその一言だけ言うと何も話さない。
全て戒吏に託すことにし、一歩下がる。
だけど戒吏は無言。
静粛だけが、ここを包む。