ファミレスならチョコパフェもあるよ?と言うと空は笑顔で賛成。
戒吏は何処でもいい、と無愛想に言った。なら最初からそう言いなよ。ホント皆、空をからかうの好きだよね。
「帰ってきたら、課題やりなよ?」
「わ、分かってるって!大分進んでんだから!もうちょいだし!」
だいぶって……、
空の中では何時間も費やしたのにたった1枚しか出来てないプリントを『大分進んだ』なんて言うんだ……。幸せ頭だね。
本当は課題を終わらしてから行こうと言いたい所だけど今の空のやる気は0。言っても無駄だ。
それを分かっているから気晴らしに戒吏も空に賛同したのかもしれない――――――不器用なヤツ、
「ほら、行こうぜ!」
「急かすな」
親子みたいな二人。微笑ましいよね。なんて言うと二人は絶対怒るから秘密にしておく。
そして戒吏の分かりにくい気遣いに笑ってしまいそうになった。もしかしたら空よりも、不器用なのは戒吏なのかもね。
「庵!何やってんだよ。行こうぜ?」
二人を見ながらぼーっと考えていた僕を呼ぶ空の声。その声で現実に引き戻された。
―――――うん、いま行く
そう言おうとした。

