「蒼衣は面白いことには興味あるからなー、何か遼太には借りを貸しておきそうだよな」
しみじみと語る空。蒼が企む“面白いこと”の大半は被害にあっているから苦い顔をしている。
気性価値の高いことが蒼は好きだ。何事にスムーズ且つ完璧に熟すからこそ、自分を刺激する物には興味を示す。
いつもつまらなさそうな顔に色がつく蒼が僕は結構好きだけどね。
「なあなあ庵、遼太って課題終わってねえよな?」
「空は遼が課題なんかを自主的にすると思う?」
「……ぜってえない!」
自主的に勉強に励む遼を想像したのか、ブンブン顔を横に振り否定した。首がもげるんじゃないかってくらいの勢い。
僕も遼が机に向かう姿なんて怖い。ホラーだよね。世にも奇妙な物語だよ。板書を写して教科書を読む遼とか気持ち悪い。
「遼太が勉強してるとか明日槍降りそうじゃん!まず勉強したとしても絶対30分も持たねえだろ!?」
あーだこーだと叫ぶ。
余程遼が自ら勉強してる姿を認めたくないらしい。それは分からなくもないけど。僕は30分どころか10分も持たないと思う。
空は叫びながらバンバンと机を叩き主張している。
あ、コップ倒れた。
少し焦ったけどジュースは入ってないのでホッと肩を撫で下ろす。
加え、戒吏が再び自分の世界に浸りメカニック音が聞こえる。
―――――何で3人しか居ないのに此の部屋はこんなにも煩いんだろう?

