「それにしても────」
一旦、言葉を切りガシャガシャと音を鳴らす戒吏を見た。
辺りには鉄やら何やら沢山転がっている。それらは戒吏を取り巻くように転々と置かれていた―――――――――いつものように。
「それ、ロボット?」
「……ああ」
わけのわからないモノ。
かろうじてロボットって分かったのが奇跡だと思った。
「マジで!?戒吏ロボット作ってんのかよ!!」
「違う」
「はあ?んじゃあ何やってんだよ!」
「この変梃なものを壊してるんだよ」
「解体って言え」
僕の言葉を瞬時に言い直す戒吏に思わず苦笑いしてしまった。
変梃(へんてこな物)=ロボットとは誰も思わない。ロボットの面影もない。どんなロボットだったのかも、原型すら留めていないから解らない。
戒吏はあくまでも耳だけを此方に傾け、目線はロボットらしきモノにいっている。戒吏らしいよ。
「……ああ、なるほど」
そんな戒吏に空は若干呆れ顔。普段の戒吏の様子から何してるのか分かったのか『……またかよ』と言いたげ。

