ガシャガシャ
空の声に反応してその音を鳴らす手は止まる。そして顔をあげる、その人物…
「お前、声デカい」
戒吏は、そう言った。
「ふざけんなよ!戒吏の方がうるせえよバーカ!」
「……」(ガシャガシャ
「む、無視すんな!」
空に作業を止められ、やや不機嫌そうな戒吏。
空もプリントばかりでストレスが溜まっているのか戒吏に八つ当たり気味。
でも戒吏が出す音は煩いとは僕も思っていた。だけど今更だから突っ込みはしないよ。
「お前の邪魔はしてねーだろ」
「音だよ!その音!ガシャガシャ、ガシャガシャ気が散るんだよ!!」
勉強のし過ぎで、微かな音にも敏感になってるみたい。
何時もなら笑って戒吏に目を輝かせて近寄るのに今日は威嚇する猫みたいだ。

