それから散々思い思いの言葉を口にしたあと満足したのギャル達は“お幸せにぃ”と言いながら先程と一変、アッサリ去って行った。









――――俺は手元に返ってきた携帯を持ち直しながら画像を見る。



響子ちゃんはケーキ好きなのか、今度買おうっと。言っとくけど餌付けじゃねえからな。ただの好意だ、好意。下心丸出しとか言ったヤツはブッ飛ばす。



この画像まじ天使だろ。自然に顔が緩む。端から見たら変態みたいだと思い、顔を引き締める。確かに可愛いが元々は戒吏の彼女だったんだよな。



あいつらも報われねえな―――――――と言いてえところだが案外そうでもねえよな。



戒吏と響子ちゃんが別れたいま、お前らにもチャンスあるんじゃねえのか?



良い人ぶってるとまた後悔するぞ。“好きな子の為に”なんて善人染みた台詞お前らには似合わねえよ。本気で好きならかっさらいな。





――――――戒吏の気持ちは別として響子ちゃんはきっと戒吏とはより戻すなんて考えねえと思う。



何ら確証もねえが…



勘だ、勘。








あの子は慎重だからな。



一度は逸れた道を“もう一度”



なんて考えはしねえと思う。



荒れそうだな。



響子ちゃんの魅力に嵌まった奴はそう簡単には抜け出せねえ。






―――――――まぁ今のアイツ等はそれどころじゃないけど。



「―――これからだな」



それは何を意味するのか。



何が“これから”なのか



“響子”?
“牙龍”?
“片桐”?



―――言葉にした俺でさえわからない。