カチカチと慣れた手つきで愛用の携帯を操作する。何のストラップもついていないシンプルな携帯。
「?―――あ!もしかしてケー番の交換ですかあ!?」
「なら私もっ」
「違う違う」
何か素晴らしい勘違いをしてくれる女たちに一刀両断。いそいそと携帯を取りだそうとするのを止める。こういう女には説明より見せるほうが早いからな。
お、あったあった。
データフォルダから画像を探しだし、見つけた一枚の画像。
消してなくて良かった!密かに保存して残してた甲斐があったぞ!でもまさかこんな事に使う羽目になるとはな、
「ほら、見ろ」
「はい?………!?」
「な〜にい?……え?」
「うっそ……」
1枚の携帯に写る画像に1人の女は眼を見開いた。あり得ないと言いたげに。
その女の反応にその女の友達2人も興味を示し後ろから除き混むとこれまた驚嘆の眼。
―――かなり前だが、空が送って来てくれたんだよな。この画像。余りに可愛すぎて保護しちまった。
空も多分自慢したかっただけだと思う。その気持ちは分からなくもないが。だけど俺が保護したという事は知らねえはず。
知っていたら今頃この携帯は御陀仏だ。一時は待ち受けにしたくらいだからな。見つかりそうになって直ぐさま変えたけど。

