「って……あれ?」

「どうしたの?」

「ううう」

「な、なに?」

「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

「ひっ」




私は漸くある事に気が付いて発狂した。それも滅茶苦茶大きな声で。周りにちらほらいる生徒が見てくるが全く気にならない。


友達が怯えた目を私に向けてくる。それさえこれっぽっちも気にならない。だってそれよりも!









「…あああああああああ」

「ほ、ほんとにどうしたの?」



友達が『この子大丈夫?』的な視線を向けてくる。大丈夫じゃない。大丈夫じゃないから。




「―‥―た―…に」

「え、なに?」


「―…朝から会えたのに」




私はボソッと呟いて力なく項垂れた。最悪。ほんと最悪だよ。会えることなんて珍しく遠巻きで見るだけで幸せだったのに。牙龍の話ばっかしてるから。









「ああ。野々宮さんもう行っちゃったみたいだね」


「……ああああああああああああああああああああああ」






最悪。



確か今日の星座占いは最下位だったな。






「ま、まあ朝から拝めただけでもいいじゃん!」

「………」

「……何その目」

「べっつにぃ〜」




もとはと言えばアンタが牙龍牙龍言わなければ私は野々宮響子さんを拝み続けることが出来たし――――――そんな視線を向けた。