牙龍−元姫−




少し冷や汗が背中をつたう。俺の中の響子の存在の大きさを痛感した。


屋上のフェンスに背中を預け煙草を吸う蒼衣。蒼衣の横でしゃがみこみ携帯を操作する遼太。


二人にも各々思うこと感じることあるだろうな。それが何かは分からねえけど。


蒼衣と遼太の考えを探ろうとしてもわかるわけねえか。でも響子の事を何かしら考えてんだろうな。







難しい考えは頭の悪い俺にはやっぱキツイ。溜め息を溢し肩の力を抜く。空を仰げば眩しい太陽が眼に入る。



青、青、青、青

真っ青な空

しっとりとした風が俺の髪を撫でる。







過ぎた日々を想う。戻ることはできない過去。ただ突き進むだけの未来。そこにあの子はいるのか?痛いほどに想いはただ募るばかりで…