神様修行はじめます!

「申し遅れました。わたくしはここの当主の・・・」

おばあさまがお辞儀をした。


「門川 永世(かどかわ ながよ)です」


ものすごく丁寧でバッチリ決まったお辞儀の姿に、あたしも慌てて深々とお辞儀をする。


「そしてこちらは当家の次男、永久です」

門川君もお辞儀姿が優美に決まってる。

あたしも深々とお返し。


「それで、お嬢さんのお名前は?」

いきなり質問されてあたしは慌てた。

名前? あぁ自己紹介ね? はいはい。

しかしこの突飛な状況で自己紹介を要求されても、何をどう言えば・・・。

・・・あ、そうだ!


あたしはゴソゴソとバッグの中をかき回す。

あった!


「はいっ。これどうぞっ」

封筒を両手に持って前に突き出す。