巨大な白い光柱にやっと到着できた。

途端に、光柱は萎むように細くなり、消えた。

まるであたし達の到着を待っていたかのように。


「おばあ様!」

「永世!」


地面に降りてあたし達は走った。

そして・・・



ご神木の根元に、見慣れた着物をみつけた。

横たわる姿を。



着物の袖口や裾から、真っ黒く干からびたようなものが、見えて・・・。

あたしは息を呑んで立ち止まる。



門川君と、猫の姿に戻った絹糸が駆け寄る。


強張った表情の門川君が、ひと目見てガクリとその場に座り込んだ。

「おばあ・・・さま・・・」


胸が締め付けられるような悲痛な声。

彼は頭を振り、握りこぶしを握り締める。

手の色が白くなるほどに。


絹糸が、静かにおばあ様の顔のあたりに座る。


「永世よ・・・」


絹糸の前足が、そっとおばあ様の髪に触れた。


「お前も、先に逝くか・・・」