畳を叩いて反論する者。

別の者も畳を叩いて、さらに反論をする。


「なにが次期当主だ!」

「そうだ! こんな大罪を犯しておいて!」

「いっそ次期当主の資格を剥奪すべきだ!」

「なんという暴論だ!」

「まったくだ! きさまごときが口出しできる問題ではないわ!」

「なんだと!?」



喧騒の中・・・

当主の永世は、静かに溜め息をついた。

後継者問題に話がすり替わってしまっている。

いつもの事だけれど・・・


なげかわしいこと。



チラリと横目で華子を見た。

無表情のまま、さっきからひと言も話さない。


おそらく、今回の件は裏で糸を引いているのだろう。

だが証拠は何一つ無い。


いつもそうだった。

そんな愚かな女ではない。

口惜しいことだけれど・・・。