門川では有力者達が一堂に集まり、会議を開いていた。


当主である永世。

奥方である華子。


何十畳もある、大座敷の最奥。

皆よりも一段高い場に座するふたり。


そして他に十数名が、それぞれ向かい合うように座っている。



「永久様が聖域の洞窟に入られたのは本当ですか!?」

「どうやら真実らしい」

「それは由々しき事態です!」

「永久様のことだ。きっと事情があるに違いない」

「いかな事情があれど、許される事ではないぞ!」



有力者達は、めいめい勝手な意見を述べ続けている。

口からツバを飛ばす勢いだ。



「厳罰をもって処さねばならぬ!」

「それはあまりに厳しすぎる!」

「そうだ! 次期当主になられるお方かも知れぬのだぞ!」