「しま子頑張って! 急いで!」

「うがあぁぁ―――――っ!!」


しま子は目の色を変えて全力疾走する。

うぅぅ! 振動と衝撃が体に伝わってきて目が回るぅー!

でもそんな事いってる場合じゃない!

とにかく急いでっ!!



降り注ぐ岩。

揺れ続ける洞窟。

しま子にしがみ付いているあたしの目に、自然の光が見えてきた。


出口だっっ!!!



門川君が、しま子の腕からヒラリと飛び降りた。

出口に駆け寄りながらメガネを外す。

冷気を帯びた日本刀を手に構え、そのまま突っ込んだ。


――バチイィィッ――


眩しい閃光と共に彼の体が勢い良く跳ね飛ばされた。

ズザァッと後方に滑りながら、体勢を整える。

そして再び出口に向かって力一杯に刀を突き刺す。


――バチイィッッ――


結界の光が、それを阻んだ。


「永久、どうじゃ!?」

「だめだ。時間がかかるっ」

「時間など無いぞ!」

「分かっている!」