起き上がったしま子はキョロキョロと周囲を見渡した。

あたしの姿を見つけて、心底嬉しそうに微笑んで・・・


『ドゴッ!』

盛大な音で真横に落ちた大岩に、目を丸くした。

いや、もともと丸いんだけど。さらに。


「しま子、大変なんだよ! 空間が崩れちゃう!」


しま子は天上を見上げ、状況を理解したらしい。

素早く立ち上がる。


がしっ!

右腕に、絹糸を抱えたあたし。


がしっ!

左腕に、門川君。


両腕に、人間ふたりを抱え上げて・・・


一目散に、出口目指して突っ走り始めた!