揶揄するような声に門川君は答えない。

「さすがに手詰まりですかな?」

「・・・・・・・」

「ケモノはこの始末。鬼は半死半生」

「・・・・・・・」

「あなたの手駒は、そこの半人前だけ」


半人前で悪かったねっ!!


「こんな情け無い手駒しかいないのも、あなたの人望の無さでしょうな」

そう言って狐面は、絹糸を高々と思い切り蹴り上げた。


絹・・・っ!!


思わず息を呑むあたし。


ぽーん・・・と飛んでいく絹糸の体。

まるで、蹴飛ばされたゴミ袋のように。


ドサッと音をたてて絹糸は力無く地に落ちた。

ピクン、とかすかに動いて・・・

くたり、と力が抜けた。