「普段は放置しておるくせに、聖域で何かあると事を大きくして騒ぎ立てるのじゃ」

絹糸が不機嫌丸出しの声で文句を言う。


「それで、いかにも自分達は神聖に敬っておる、と格好をつけるのよ」

ばかばかしい。

そう吐き捨てる絹糸に門川君が答えた。



「形式が必要な場合もあるんだ」

「その形式のために、今回お前が罰を受けるのじゃぞ」

「それで済むなら、それでかまわない」


さらりとそう言い放って門川君はあたしを見た。


「君は心配いらない。僕が解決するから」



門川君、そんな事言って・・・。


また奥方が責め立ててくるに決まってる。

あーだこーだイチャモンつけて、門川君を不利な状況におとしいれるんだ。


そして今回、その引きがねを引いたのは・・・

あたし、だよなぁ・・・。どう考えても。


はあぁぁ、ダメじゃん、あたし。

守る、とか決意した途端これだもん。

足引っ張る以外の何ものでもないよ。