言葉にしたいのに、言葉にならない。

いろんな思いが次々浮かび上がってきては、泡のように弾ける。


じー様の事、おばあ様の事。

しま子の事。

弾けた思いが、たくさんのものが、胸に膨らんで・・・。


また、泣きたく、なった。



「泣くでない、小娘。そんな暇は無いぞ」

「絹糸・・・」

泣きベソ顔のあたしの足元で、あたしを見上げる絹糸に問いかけた。

どうしてここにいるの?


それに対して、絹糸は明瞭に答えてくれた。



あの後、散歩から帰った絹糸が真っ先に目にしたのは・・・

地面に寝転がって泣き喚く、しま子の姿だった。


絹糸はすぐにあたしの身に何かが起きたと察したらしい。

門川君を呼んで、しま子から事情を聞きだそうとした。