「死んではおらぬが、棺おけに片足突っ込んではおるのぉ」

「片足どころか、ほぼ全身突っ込んでいる状況だな」

「ちちちち、ちょっとおっ!!」


なにそれっ!?

人に希望持たせといて、突き落とさないでよ!



「だから治療するんだよ。少し静かにしてくれないか」



彼はそう言ってその場に正座した。

両目がスッと静かに閉じられる。

閉じられた両目の前で、人差し指と中指がピンッと立ち、印を結ぶ。

気の高まる気配を感じさせたまま、身動きもせず、何も言わなくなった。



あたしはホッペを両手で撫でさすりながらそんな彼を見ていた。



門川君・・・絹糸。


どうして? なんで?

なんでここに?


ねぇ、門川君、知ってるの?

何をどこまで知ってるの?


門川君、あたし・・・。


あたし・・・・・。