そして、しま子の体にふんふんと鼻を近づける。

「永久、そのへんにしておけ。時間が無い」

「ああ、バカを責める無駄な行為より、しま子の治療の方が優先だなっ」


・・・っ!!?


治療っっっ!!?

治療って、今、言ったっ!? 

言ったよね!?

確かにはっきり言ったよねっ!!?


あたしはホッペから門川君の手を引き剥がして叫んだ。


「しま子、死んだんじゃないのっ!!?」

「勝手に殺すな! ひどい人間だな君は」


「だってだって、こんなになって・・・!」

「この僕が使役していた鬼だぞ。この程度で死ぬものか」


「だって門川君さっき、『無理だ』って・・・」

「死んでもいないものを生き返すのは無理だと言ったんだ」


「あ・・・・・」

「まったく惚れ惚れするほどバカだな、君は」



あぁ・・・っ!

門川君の冷たい毒舌を、こんなに嬉しい気持ちで聞いた事って、いままでない!!


しま子! しま子っ!!!

体中に希望の光が湧き上がってきた!