「君の脳みそは、常に初期化状態なのかっ!?」


叫ぶやいなや、門川君があたしのホッペを両手でつかむ。

そしてギイィ――!っと左右に思いっ切り引っ張った!

いでででででで―――っ!!!



「あとさき考えずに屋敷から飛び出したのか! 君は!」

「いででででっ!」


「しかもハッキリと、明らかに、怪しい状況だったろう!」

「いだだだだっ!」


「あれほど怪しい状況下で、なんであそこまで見事に引っかかるんだ!」

「あだだだだっ!」


「バカなのかっ!? そこまで君はバカなのかっ!?」


「そこまでバカじゃったようじゃのぉ」


あ・・・・・。


悠々と歩いてきた絹糸が、あたしの足元に座り込んだ。