近くにいた全ての異形のモノ達が、滅された。

まるで、夢まぼろしのように。

何事もなかったかのように。


シン・・・と静まる空間。

ぴちょん、と落ちる水音が戻ってくる。


終わった・・・。

ウソのように。全て。



でも・・・夢でもまぼろしでもない。


あたしの目の前には、動かないしま子の体。

突きつけられる現実。

自分自身の愚かさの代償。

しま子・・・。


あたしは再び、しま子の体に覆いかぶさり涙を流す。

しま子、しま子。


諦めきれない。

こんな大事な存在、諦めきれないよ。

自分の愚かさが原因で失うには、大きすぎる。

大切すぎる。

お願い・・・。


「しま子、お願いだから生き返って・・・」



「無理だな」



あたしは、弾かれたように顔を上げた。