違う。と・・・

そう叫びたかった。大きな声で。

でも・・・


そんな声は出なかった。


代わりにあたしは、蚊の泣くような声を搾り出す。



「だって・・・、じー様は、あたしの力を封印したんだよ?」



そうだよ、封印したんだよ。

じー様が自分で。


おかしいじゃん。

あたしの力を利用するつもりなら、封印する理由がないじゃん。



じー様は、あたしのために力を封印した。

そしてずっとあたしを守り続けた。

でも、自分の命が長くない事を知って・・・


あたしのために、門川へ来させたんだ。



「そなたが門川に来るための、都合の良い理由付けじゃ」

「理由付け・・・?」


「生贄に捧げた、では、いかにも体裁が悪い。預かるこちらにしても格好がつかぬ」

「・・・・・」


「そなたが『門川へ来るしかない』という、もっともらしい状況を作り出したのじゃ」