「過去の事実を知るには、その目で見るのが一番だろう」

「そりゃそうだけど・・・」


だからって何であたしが、水に手を突っ込まないといけないわけ?


「お前の中には天内の血が流れている」


そーよ。当然でしょ。


「血とは、連綿と続く歴史そのもの。お前の体には天内の、祖父の歴史が刻まれている」


じー様の歴史?


「お前の身を水に浸して念じるのだ。祖父の過去が見たい、と」


そうすれば水に過去の出来事が映る。

お前の祖父に何があったのかが分かる。


狐面はそう言った。

理屈は分かったけど・・・。


うさんくさー。ホントに映んの?

いかにも怪しげに水の表面を見ているあたしに、狐面が知った風な事を言う。


「門川の宝を見、あまつさえ使わせていただけるのだ。果報に感謝せよ」

「なんであんたが威張んのよ」

「いいから早く始めんか」

「だって怪しさ全開なんだもん。これって」


昔話によくあるじゃん。

欲にかられて、すっごいアイテム使った途端にしっぺ返しをくらうって。


モロにそのパターンっぽいんだもん。