神様修行はじめます!

すうっ、と狐面の右手があたしを指した。

全身を覆う服の生地に隠されて、その指は見えなかったけれど。



「永世様たちに利用されているのだ」



利用されてる? 騙されてる?

・・・ハッ、なにそれ。

よりによってそんないい加減な事言っちゃってさっ。



「信じるわけないでしょ。そんな事」

「真実だ」

「もうちょっとマシな嘘つきなさいよ」

「断じて嘘ではない」

「あんたって詐欺師の才能ないねー」

「ならば、彼らはなぜお前に隠すのだ?」


・・・・・。


隠す?



「なにをあたしに隠してるってのよ?」

「永世様と、お前の祖父の事だ」

「え?」

「なぜお前の祖父が、この屋敷を出て行ったか。その真実をだ」



・・・・・。


ちらり、と


その時、あたしの脳裏に浮かんだ。


聞いても教えてくれなかった絹糸の姿。