神様修行はじめます!

意識を集中して、ゆっくりと目を開ける。

ぼんやりと何かの流れが見える気がする。

よし、この調子。

集中が切れないように・・・。


あたしは両手を流れに入れて、そっと引き出す。

・・・・・


「できたあぁっ!!」



あたしの両手には、光を反射してキラキラ光る水がたっぷり入っていた。


「わぁい! やったあ!」

しま子がパチパチと両手を叩いて一緒に喜んでくれる。


「はい、絹糸どうぞ」

「どれ、いただこうか」

絹糸が美味しそうに飲むのを見ながら、あたしはまた明るい声を出す。


「ねぇ、この水さ、門川君に持って行きたいなっ」

「うむ?」

「そしたら門川君、喜んでくれるかも!」

「・・・・・」


金色のアーモンドのような目があたしを見た。

そしてゆっくりと細められる。


「永久の元に着くまでに、全部こぼれてしまうぞ」

「大丈夫! ゆっくり急いで確実に運ぶから!」

「なんじゃそれは」


絹糸が声を上げて笑った。


「どれ、永久が待ちぼうけじゃ。行くぞ」

「うんっ!」