「その座がどれほどの意味を持つか、分かるか?」

「う、うん。一国の王様って事よね?」

「そうじゃ。唯一無二の座じゃよ」


比類なく重大な存在。

それを決めるにあたり、鉄の掟が存在している。



第一子、継承

長の、最初の子どもが次の当主になる。



それが男子であれ女子であれ。

最初に生まれた子どもが長となる定め。


第一子に不幸があれば、第二子が格上げされる。


「つまり早い者勝ちじゃよ」

「分かりやすいっちゃ分かりやすいね」

「争いにならぬためにはそれが一番じゃ」



ひとたび継承争いともなれば、利権を狙う者どもが群がり溢れる。

大きな勢力同士が互いに潰し合い、被害は甚大。

それはそのまま一族存亡の危機に直結する。