「天内君の手を離せ。狐面」

「永久どのこそ、離していただこう」

「彼女は僕の元にいる」


門川君は、あたしの手を離さない。


「彼女は、僕の元にいるんだ。だからその手を離せ」


あたしは、彼の顔を見た。


真っ直ぐな目。

揺るがない光。


あたしは・・・


彼の指から伝わる冷たさを、繋がるその体温を・・・


心から嬉しく思った。