神様修行はじめます!

ウサギの逃げる姿を目で追いながら、あたしは激しく咳き込んでいた。

「大丈夫か?」

近づいてきた彼が屈み込んで聞いてくる。

あの冷酷な目も空気も、もうすっかり消え去っていた。


「・・・・・」

大丈夫、と答えたいとこだけど・・・。

あんまりにも大丈夫じゃなかったもんで、返事ができない。

あたしはひたすら呼吸を整えていた。


「少し痣になったな」

門川君がスッと手を伸ばした。

あたしの首筋に触れる。


ひんやり・・・


あ・・・あの時の感触・・・


「大丈夫。すぐ消える」

静かにそう言って痣の跡をなぞる様に触れていく。


手の平で、手の甲で

そして、指先で・・・。