ふと隣を見ると、松川くんが頬杖をついてあたしを見上げていた。 「?どしたの?」 「…や、何でもねーよ」 ……?まぁいっか。 鞄を持ち、山田くんの元へ向かう。 「頑張れよー柚希!」 「ほーいっ♪」 美喜ちゃんにヒラヒラと手を振り、教室を出た。 「…柚希、自分の気持ちを殺しちゃ駄目だよ」 ……美喜ちゃんが、そう呟いているのも気付かずに。