井岡さん、行っちゃった。
なんでだろう。

メグが亡くなってから、はじめていいなって思える女の子に出逢えたのに。
ひたむきで、真面目で、メグにどこか似てた。
なんで俺はいつも簡単に手放してしまうんだろう。

でも、井岡さんは俺には振り向かない。
それがわかってたからきっと俺はいい人ぶって少しでも嫌われない方を選んだのかも。
告ったって、振られて気まずくなるだけだったろうし。

うん。
これでいいんだ。

自分にそう言い聞かせて、俺は夕日が沈んだ海をいつまでも眺めていた。