―― ―――― それから、数日後。 廊下を歩いていると、何やら話し声が聞こえた。 「…お前に頼みがある」 これは、土方…? 「はい。何ですか、土方さん」 もう一人は、土方の小姓の市村鉄之助。 「聞いてくれるか」 「はい」 「辛い仕事だぞ」 「…既に、覚悟は出来ています」 少しだけ、土方が間を置いた。 「江戸に行け」 「え…?」