上を見上げて、大きな桜の木を見た。 「本当に綺麗だな…」 あの桜の木の根元には、土方と一緒に埋めたビンが眠っている。 「あと四年か…」 土方がぽつりと呟いた。 そして、私の方を見て… 「…一緒に来ような」 そう言い、私を抱き寄せる。 「絶対…だからな」 私も土方を強く抱きしめた。 お願いだから、離れていかないで…。 …しかし。 これが、 土方と最初で最後の、花見だった──。