山南の死を見届け、廊下を歩く。 新撰組から仲間が一人、 いなくなってしまった。 「…見事な最期でしたね」 その時、私の前に現れたのは、伊東だった。 「嫌いだからといって、何故切腹させたのでしょうか」 「……」 「土方さんは、そこまでお辛くはないのでしょうね」 いつもの微笑んだ顔で、伊東は淡々と言葉を並べていく。 「…違う」 気付けば、そう口にしていた。