『卒業生、退場―』

俺達卒業生が、
拍手に包まれ、体育館を出ていく。

クラスの皆を見ると
女子はほとんど泣いていて、男子は
『お前泣いてんだろ?』
『泣いてねぇよ!』
という会話をしていた。

男であろうと
女であろうと
寂しいということに
変わりはないんだ。

俺も、泣きはしなかったが、寂しさが込み上げたのは事実だ。

クラスとの関わりは少なくても
別れは、辛い。


特に誰かと話すこともなく、啜り泣きを耳に留めながら、
教室へと足を運んだ。