「はい? あら、綺樹? お久しぶり」 その名前に涼は思わず目を向けると、ライナと合った。 ライナは自分の部屋へと、入っていってしまう。 涼はしばらく閉められたドアを見つめていたが、唐突に自分が何をしているかに気が付いて、打ち消すように食卓を片付けだした。 「綺樹。 スペインに寄った後に帰ってくるそうよ」 戻ってきたライナが開口一番に告げた。 「ふうん」 「涼。 あんた。 綺樹のこと、好きね?」