「バイト行ってくるから」
ちょうど吸い終わったらしい。
手にしていた灰皿に潰した。
「ん。
イタメシ屋だっけ?」
涼の脇をかするように、すり抜けて部屋に入る。
体が触れそうで触れない。
「なかなか旨いよ。
今度、食べに来れば」
「らしいね。
ライナが言っていた。
ライナ、嘆いていたよ。
大学行かないで高校卒業したら、そこに弟子入りするって言い張っているって」
「勉強、好きじゃないしね」
「そう?」
新聞を床から拾い上げるため、うつむいた綺樹の口元が、微笑するのを見ていた。
「学費の世話をかけるほうが、親孝行だと思うけど」
多分、年下であろう女にずばり言われて、ムカつく。
「知らないと思うけど、ライナって実は金持ち。
お前が留年しようと、留学しようと、そのぐらい痛くない」
にやっと笑った。
本当にこの女は、可愛くない。
「考えてみたら?
大学」
憮然としている涼に気付いていないように、綺樹はソファーに座ると新聞を広げた。
ちょうど吸い終わったらしい。
手にしていた灰皿に潰した。
「ん。
イタメシ屋だっけ?」
涼の脇をかするように、すり抜けて部屋に入る。
体が触れそうで触れない。
「なかなか旨いよ。
今度、食べに来れば」
「らしいね。
ライナが言っていた。
ライナ、嘆いていたよ。
大学行かないで高校卒業したら、そこに弟子入りするって言い張っているって」
「勉強、好きじゃないしね」
「そう?」
新聞を床から拾い上げるため、うつむいた綺樹の口元が、微笑するのを見ていた。
「学費の世話をかけるほうが、親孝行だと思うけど」
多分、年下であろう女にずばり言われて、ムカつく。
「知らないと思うけど、ライナって実は金持ち。
お前が留年しようと、留学しようと、そのぐらい痛くない」
にやっと笑った。
本当にこの女は、可愛くない。
「考えてみたら?
大学」
憮然としている涼に気付いていないように、綺樹はソファーに座ると新聞を広げた。

