禁断の姉弟愛 ~欺くのはどっち?~

 電話でタクシーを呼び、母は帰って行った。

 帰り際に母は、「体に気をつけるのよ?」と言ってくれた。それは普通に私の体を気遣ってくれたのかもしれないけど、おそらく、私の妊娠に母は気付いたのだと思う。



 私は母と話した事で、迷いが吹っ切れた気がする。今夜にでも、和也に妊娠の事を話そう。和也がどんな反応をするかはわからないけど、正直に、私の気持ちをありのままに彼に話そう。


 そしてたぶん、直人さんや裕美さんにも話す事になると思うけど、その時はみんなで解決策を考えよう。特に直人さんと和也は頭がいいから、私では思いつかない何かを、思いついてくれるかもしれない。


 この先、私達にはもっともっと問題が待ち構えているかもしれない。その時私達には、他に頼る人はいないし、頼るべきでもない。せいぜい、事情を知ってる小柳君ぐらいだろうか。


 それが、世の中のルールに背いた私達4人への罰だと思う。でも、私は思いたい。そんな私達でも、幸せになる権利はあるのではないかと……


 その時、和也から携帯にメールが来た。


『姉貴、具合はどう?』


 チッ。和也ったら、いつも簡単なメールばっかり!

 私はすぐに返信を送った。負けずに短いメールだけど。


『大丈夫だよ。和也……愛してる』



(完)


 最後までのお付き合い、ありがとうございました。

 内容が内容だけに、受け入れられない方もいらっしゃると思います。私は近親相姦について、その善悪を語るつもりはなく、それを考えてもおりません。私が書きたかったのは、ただただ男女の純粋な愛です。それがたまたま姉と弟だっただけの事。その場合、二人はどうするのだろうか、という思いからストーリーが始まりました。

 二人が決断した事は正しかったのかもしれないし、そうでなかったかもしれません。でも、ひとつの選択肢として、こんな決断があってもよいのかなと思うんです。もちろん妄想の産物ですが。


2012.9.2 秋風月